評価方法

Berg balance scale, BBSとは

投稿日:2016年10月30日 更新日:

Berg balance scaleとはバランス能力の指標として高齢者や脳卒中患者に使用される評価スケールです。14項目のテストを実施して点数化します。特別な機器も必要なく、もっとも使用されているバランススケールの一つとされています。

 

 

Berg balance scale, BBSはどのような際に使用されるか

45点以下であれば転倒リスクありと判定されます。また46点以上で病棟内屋内歩行自立レベルとされています。合計点だけでなく、項目ごとでの点数の変化を経時的に追うことで、どのような動作が改善しているのかを把握することもできます。

 

項目数が多く、座位から立位まで様々な動作を含んでいるため、点数での判定だけでなく、総合的な動作観察を行うこともできます。ただし、外乱への反応や歩行は含まれていないことは留意しましょう。

 

 

 Berg balance scale, BBSの方法

14項目の課題について判定基準に従って0〜4点の5段階で判定し、合計点をだします。以下に項目ごとに検査方法と判定基準を記載します。

 

 

椅子座位からの立ち上がり

《指示》

「手を出さずに立ってください」

 

《判定内容》

4:立ち上がり可能

3:手を使えば立ち上がり可能

2:数回試せば、手を使って立ち上がり可能

1:立ったり、平衡をとるため最小介助が必要

0:立ち上がりに中等度または高度の介助が必要

 

 

立位保持

《指示》

「つかまらずに2分間立っていてください」

 

《判定内容》

4:安全に2分間立位保持可能

3:監視下で2分間立位保持可能

2:30秒間立位保持可能

1:30秒間立位保持に数回の試行が必要

0:介助なしには30秒間立っていられない

  • 4点であれば、座位の項目は満点とし、「着座」の項目にすすむ

 

座位保持

《指示》

「腕を組んで2分間座ってください」

 

《判定内容》

4:安全に2分間座位保持が可能

3:監視下で2分間座位保持が可能

2:30秒間座位保持が可能

1:10秒間座位保持が可能

0:介助なしでは10秒間座位をとることが不可能

 

 

着座

《指示》

「どうぞお座りください」

 

《判定内容》

4:ほとんど手を使わずに安全に座ることが可能

3:両手でしゃがみ動作を制御する必要あり

2:両下腿背側を椅子に押し付けてしゃがみ動作を制御する

1:座れるがしゃがみ動作の制御ができない

0:介助がないと座ることができない

 

 

移乗

《指示》

「車椅子からベッドに移り、また車椅子へ戻ってください」

「まず肘掛を使って移ってください。次に肘掛を使用しないで移ってください」

 

《判定内容》

4:ほとんど手を使用せずに安全に移乗可能

3:手をしっかり使えば安全に移乗可能

2:声かけや監視があれば移乗可能

1:1人介助で移乗可能

0:2人介助もしくは監視が必要

 

 

閉眼立位

《指示》

「目を閉じて10秒間立っていてください」

 

《判定内容》

4:安全に10秒間閉眼立位保持可能

3:監視のもとで10秒間閉眼立位可能

2:3秒間は立位保持可能

1:閉眼で3秒間立位保持できないが、ぐらつかないで立っていられる

0:転倒しないよう介助が必要

 

 

閉脚立位保持

《指示》

「足を揃えて、何もつかまらずに立っていてください」

 

《判定内容》

4:一人で足を揃えることができ、1分間安全に立位可能

3:一人で足を揃えることができ、1分間監視が必要

2:一人で足を揃えることはできるが、30秒立位は不可能

1:開脚立位をとるために介助が必要であるが、足を揃えて15秒立位可能

0:開脚立位をとるために介助が必要で、15秒立位保持不可

 

 

両手前方到達

《指示》

「両手を90°上げてください。指を伸ばした状態でできるだけ前方に手を伸ばしてください」

  • 測定者は、被験者が手を90°させたときに指の先端に定規をあてる

前方に手を伸ばしている間、定規に指先が触れないように注意する

もっとも前方に傾いた位置で指先が届いた距離を記録する

 

《判定内容》

4:確実に25cm以上前方へリーチ可能

3:12.5cm以上安全に前方リーチ可能

2:5cm以上安全に前方リーチ可能

1:監視があれば前方へリーチ可能

0:転倒しないように介助が必要

  • 8以降の項目は支持せず立った状態で実施する。

 

 

拾い上げ

《指示》

「足の前にある靴をひろってください」

 

《判定内容》

4:安全かつ簡単に拾うことが可能

3:監視があれば拾うことが可能

2:拾うことはできないが、平衡を保ったまま2.5cm〜5cmの距離までリーチ可能

1:監視が必要であり、拾うことができない

0:転倒しないように介助が必要で検査不可能

 

 

振り返り

《指示》

「左肩越しに後ろを振り向いてください。それができたら今度は右肩越しに後ろを振り向いてください」

《判定内容》

4:上手に体重移動をしながら、両方向から振り向ける

3:一方向からのみ振り向きができる。もう一方向では体重移動が少ない

2:横を向けるだけだが、バランスは保てる

1:振り向く動作中に監視が必要

0:転倒しないように介助が必要

 

 

方向転換

《指示》

「円周上を完全に1周回ってください。いったん止まり、その後反対方向に1周回ってください」

《判定内容》

4:4秒以内に両方向安全に1周まわることが可能

3:4秒以内に一方向のみ安全に1周回ることが可能

2:ゆっくりとなら1周回ることが可能

1:間近での監視が必要か、言葉での手がかりが必要

0:1周するのに介助が必要

 

 

踏み台昇降

《指示》

「足台の上に交互に足をのせて下さい。各足が4回ずつ足台にのるまで続けてください」

《判定内容》

4:支持なしで安全かつ29秒以内に8回足のせが可能

3:支持なしで20秒以上必要であるが、安全に8回足のせが可能

2:監視下であるが、介助不要で、完全に4回足のせが可能

1:最小限の介助で、完全に2回以上の足のせが可能

0:転倒しないよう介助が必要。または試行不可能

 

 

タンデム立位

《指示》

「一方の足をもう片方の足のすぐ前にまっすぐ置いてください。もしできないと感じたならば、前になっている足の踵を、後ろになっている足のつま先から十分離れたところに置いてみてください」

《判定内容》

4:自分でタンデム立位をとることができ、30秒間保持可能

3:タンデム立位ではないが、自分の足をもう片方の足の前に置くことができ、30

 秒保持可能

2:自分で足をわずかにずらし、30秒保持可能

1:足を出すとき、または立位時にバランスを崩してしまう

 

 

片脚立位

《指示》

「どこにもつかまらず、できるだけ長く片脚で立っていてください」

《判定内容》

4:単独で片足をあげ、10秒以上保持可能

3:単独で片足をあげ、5〜10秒保持可能

2:単独で片足をあげ、3秒間もしくはそれ以上保持可能

1:片足を上げることはできるが、片足立ちを3秒保持することができない

0:試行不可能、もしくは転倒予防に介助が必要

 

 

 

 Berg balance scale, BBSを評価するうえでの実際の臨床の注意点

約15〜20分かかるため、臨床で使用する場合は注意が必要です。また、ある程度バランス能力の高い方は天井効果があり、点数の差が出にくいです。逆にバランス能力が低い方には転倒リスクを含む動作もあり、リスク管理が重要となります。

転倒リスクのカットオフ値として研究結果が示されていますが、転倒リスクや自立判定は施設の環境によって左右されますので、自分の施設で、独自のカットオフ値を作成するのが望ましいかもしれません。

椅子の高さは40cm前後の標準的なものとし、踏み台の高さは10〜20cmのものを使用することが多いです。細かいきまりは見られませんが、毎回同じものを使用して再現性に留意する必要が有ります。

 

 Berg balance scale, BBSを評価するうえで、わかりやすい動画

患者様に実施する場合もそうですが、パフォーマンステストは言葉で伝えるだけではなかなか正確に実施してもらえません。そのため実演して方法を正確に確認していくことが重要になります。

 

いい動画がありますので、セラピストの皆さまもまずは映像で確認してみましょう。(→Berg balance scale動画

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