評価方法

ROM(Range Of Motion)

投稿日:2016年11月7日 更新日:

ROM(Range Of Motion)とは、体の各関節が屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋、水平内転、水平外転の方向にどれだけ動きの幅があるかを検査する評価法です。

 

各関節と方向ごとに参考可動域が設けられているので、実際の動きがどれだけ制限されているかを参考可動域と比べる事で評価していきます。

 

ROMの方法

ゴニオメーターという測定器具を用いて背臥位、腹臥位、座位など、関節の動きに合わせた肢位で行います。

goniometer

ROMを測定する時は、他動運動と自動運動でみるようにしましょう。そうする事で、例えば、肩の屈曲がうまく上がらない人は、関節の可動域制限で上がりにくいのか、筋力が足りないのか、またはうまく使えていないから上がりにくいのかなどの鑑別をすることが出来ます。

 

痛みが強い方に対しては、もっと動きそうと思っても痛みが出て防御性の収縮が入っているならそれ以上動かす必要はありません。現時点では痛みでそこまでしか動かないという評価になりますので、『〇〇°(痛みあり)』とでも書いておくといいでしょう。

 

さらに、高齢者などで拘縮が強い人の場合に、検査するための肢位をとることが出来ないことが多々あります。その場合は、無理に検査するための肢位でやるのではなく、側臥位や座位など、痛みや苦しさがより少ない肢位でやるようにするといいでしょう。その場合、最初の評価で行った肢位はどのようにしたかをメモしておくと、中間評価や最終評価などで同じように評価することができ、正確に改善の評価を行うことができるようになります。

 

 

ROMはどのような際に使用されるか

基本的にすべての患者さんに対して行う必要があります。

 

痛みの強い人も、神経損傷の人でも、交通事故などの外傷やスポーツ外傷の人でも、全ての人に行う必要があります。

 

ROMはただ評価するだけでなく、治療アブローチを行なった際の効果判定と原因追求としても用いることができます。

 

例えば、最初の評価でROM制限があった場合に治療アプローチする事でROMは変わります。

そこで、『動いたね』で終わるのではなく、どこが原因で動かなかったのか、また、その原因はなぜROMを邪魔するようになったのかを追求する上でも大切な評価になります。

 

 

ROMを評価するうえでの実際の臨床の注意点

ROMを行う際の注意点としては、

  • 代償動作を見逃さないようにする

これはよくある事で、いくつか例を挙げると、肩を屈曲する時に体幹が伸展してきたり、肩甲骨の挙上が起こることは臨床上とても多いです。

また、股関節屈曲の際に骨盤の後傾が起きたり股関節外転の際に骨盤の引き上げが起こっていたりします。

ROMは各関節の動きを診る評価なので、これらを見逃してしまうと、正確に身体状況を把握することが出来ず、治療アプローチ自体が間違えてしまうことになります。

 

  • 痛みを出さないように行う

痛みを出してしまうと防御性収縮という反応が起こります。そうすると、本来動く範囲よりも動きが悪くなる恐れがあります。痛みが出るようであれば、その角度が今動かせる範囲であると評価し、痛みに対する治療アプローチを考えていく必要があります。

 

  • 原因が本当にそこにあるのかを考慮する

これは、若手のセラピストに特に心がけて欲しい点で、これが出来ていないことによる失敗が一番陥りやすいことだと思います。

ROMで評価していくうちに数カ所で制限が見つかった場合に、その制限を改善させる為に安易にROMexを制限部位にやってしまうのは良くないことだと考えています。

なぜなら、その制限自体が他の場所をかばった結果つくられた制限である場合に、そこを緩めることで、固定されていることで他部位とのバランスをとっている関節に余計に痛みを誘発する可能性もあるからです。

 

  • 触り方に注意する

検査する時にセラピストの触り方によって可動域が変わることがあります。

セラピストの手に力が入りすぎていたりすると、緊張が伝わり患者さんの可動域制限に繋がることがあります。そうならない為にもセラピスト側の検査する時の姿勢や力加減などにも注意しなくてはなりません。

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