評価方法

FIMの項目の個々の評価方法

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FIMに含まれる、それぞれの評価項目の解説です。

データの元となっているのは、書籍に掲載されたもの(統一データセット利用の手引き)に加え、項目で判断に迷うものに関して慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室主催のFIM講習会に参加させていただいた資料や、させていただいた質問、またそのほかの書籍・文献を元に作成したものです。

 

目次

A.FIMの食事の評価方法

食事が適切に用意された状態で、適当な食器を使って食物を口に運ぶ動作から咀嚼し嚥下するまでが含まれる。

介助者なしで6点以上と5点以下を分ける

7.完全自立・・・テーブルまたは食事代の上に普通に出された皿から全ての正常の食物を処理して食べ、そして茶碗またはコップから飲む。患者は橋またはスプーンなどを使って食物を口まで運び、咀嚼し嚥下する。

6.修正自立・・・自助具・補助具が必要、または食べるのに通常以上の時間がかかる。また、食物の性状の変更やきざみ食が必要である。あるいは安全性の考慮が必要になる。部分的に非経口的栄養または胃瘻栄養のような他の栄養法に頼っている場合、患者自らそれを管理している。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)、または準備(装具の装着等)が必要。あるいは配膳後に容器を開ける・肉を切るなどの介助が必要である。

4.最小介助・・・患者は食事動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・食事動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・食事動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・食事動作の25%未満しか行わない。または、患者は経口的に十分な食事を食べるまたは飲むわけではなく、部分的に非経口的栄養または胃瘻栄養のような他の栄養法に頼らねばならず、患者自らは管理していない。

 

FIMにおける食事評価採点の流れ・考え方

1)食事に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:太柄のスプーンなど特殊な食器、滑り止め、義肢・装具 など)

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:配膳後に食事を切り分ける、ふたを開ける、自助具を装着する など)

→さらに介助が必要:4~1点になりますが、動作を分解し、何動作行っているかで採点します。

「かき集める」「口に運ぶ」「飲み込む」の3動作のうち、
4点:最後にかき集める程度の補助・口腔内に食べ物が残っていないか確認する程度の介助
3点:1動作に介助が必要
2点:2動作に介助が必要
1点:全介助、非実施

 

FIMの食事評価上の注意点

*配膳前に食形態の調整を行っている場合は6点、配膳後に一口大に刻むなど配膳後の場合は5点となる。
*通常のスプーンやフォークで自立している場合は7点でよい(箸の使用の可否は採点には含めない)。
*胃瘻であるが、チューブ類を自分で管理している場合は6点となる。
*飲み込むことのみ自力で行い、集める・口に運ぶが介助の場合は例外として1点となる(食事は動作と嚥下両方を評価するが、主力は動作であるため)。

 

B.FIMの整容の評価方法

口腔ケア、整髪、手洗い、洗顔、そして髭剃りまたは化粧が含まれます。

介助者なし
7.完全自立・・・歯または義歯を磨く、櫛やブラシで髪をとかす、手洗い、洗顔、髭剃りまたは化粧をする。すべての準備を含む。髭剃りまたは化粧をしたがらない場合は無視してよい。

6.修正自立・・・特殊な器具(義肢または装具を含む)が必要または通常以上に時間がかかる、あるいは安全性の考慮が必要である。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)、または準備(装具の装着・特殊な整容器具の準備・歯磨き粉を歯ブラシにつけたり化粧品の容器を開けるといった最初の準備)が必要。

4.最小介助・・・患者は整容動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・整容動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・整容動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・整容動作の25%未満しか行わない。

 

FIMの整容評価の採点の流れ・考え方

1)整容に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:電動歯ブラシ、自助具、義肢・装具 など)

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:コップや洗面器に水を入れる、タオルを絞って渡す、歯磨き粉のふたを開ける、義肢や装具の装着 など)

→さらに介助が必要:4~1点   以下の5つの動作のうち何項目に介助が必要かで採点する
「口腔ケア」「洗顔」「手洗い」「整髪」「化粧または髭剃り」
のうち、
4点:1項目のみ介助が必要、仕上げ程度の介助
3点:2項目に介助が必要
2点:3項目に介助が必要
1点:4項目に介助が必要または介助、2人介助、非実施

もしくは、上記の項目全てで介助者が半分以上手伝っている場合は最大介助の2点(50~75%未満の介助)とする方法もある。

 

FIMの整容評価の注意点

*実施する習慣がない項目は抜かして考えていい。例えば女性で化粧をする習慣がない場合は、
「口腔ケア」「洗顔」「手洗い」「整髪」の4項目として採点する。

*電動歯ブラシを使って自立しているが能力的には必須ではない場合は7点、必要があって使用している場合は6点となる。

 

C.FIMの清拭(入浴)評価

首から下(背中は含まない)を洗うこと。風呂おけ、シャワー、またはスポンジ浴、ベッド浴のいずれか。安全に行う。

介助者なし
7.完全自立・・・入浴し、体を乾かすこと。

6.修正自立・・・特殊な器具(義肢または装具を含む)が必要、または通常以上の時間がかかる、あるいは安全性の考慮が必要である。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)、または準備(特殊な入浴用器具の準備や初めにお湯や入浴具を準備すること)が必要。

4.最小介助・・・患者は入浴動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・入浴動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・入浴動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・入浴動作の25%未満しか行わない。

*この項目はあくまで洗って乾かすことのみを評価する。

 

FIMの清拭(入浴)評価の採点の流れ・考え方

1)清拭に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:長柄のブラシ、シャワーシェア、滑り止めマット、義肢・装具 など)

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:道具の準備、タオルに石鹸をつける、お湯の温度を調節する など)

→さらに介助が必要:4~1点

身体を10個のパーツに分け、何か所自力で洗っているかで採点する

「胸部、上肢×2、腹部、大腿×2、下腿×2、会陰部、殿部」の10か所のうち、

4点:1~2か所に介助が必要
3点:3~5か所に介助が必要
2点:6~7か所に介助が必要

1点:8か所以上介助が必要または全介助、2人介助、非実施

 

もしくは、上記の項目全てで介助者が半分以上手伝っている場合は最大介助の2点(50~75%未満の介助)とする方法もある。

 

FIMの清拭(入浴)評価の注意点

*背部の洗体と洗髪は評価の対象に含まれない(背中が洗えなくても減点にはならない)。

*洗う習慣がない場所は評価の対象に含まれない(もともと足先を洗う習慣のない場合は介助の手間も生じないため、それ以外の場所が自立で洗えていれば7点。介助者が洗ってしまっている場合は介助の手間が生じているため減点される)。

*洗体は大体自力で可能(4点)だが、体を拭いて乾かすことは介助(1点)で行っている場合、採点上は乾かすことよりも洗うことの比重が大きいため「半分以上自分で行っている」と考えて3点となる。

*タオルに石鹸をつける・しぼるなどの準備が最初に1回のみであれば5点だが、各部位を洗うごとに行っている場合は最小介助の4点となる。

 

 

D.FIMの更衣(上半身)の評価方法

腰より上の更衣および着用している場合には義肢または装具の着脱も含む。

介助者なし

7.完全自立・・・引き出しや押し入れのような通例の場所から衣類を取り出すことを含めた衣類の着脱。ブラジャー・頭からかぶる衣服・前開きの衣服の着脱、ジッパー・留め金・およびスナップの取り扱い、着用している場合は義肢・装具の着脱を含む。

6.修正自立・・・マジックテープの様に改良した特殊な部品または補助具(義肢または装具を含む)が必要となるか、通常以上の時間がかかる。

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)、または準備(装具の着脱、衣類や特殊な更衣用具の準備)が必要。

4.最小介助・・・患者は更衣動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・更衣動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・更衣動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・更衣動作の25%未満しか行わない、または更衣をしない。

 

FIMの更衣(上半身)評価の採点の流れ・考え方

1)更衣に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:ボタンエンドなどの自助具・着やすいよう改造した服・義肢 など)

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:タンスからの出し入れ、義肢や装具の装着 など)

 

→さらに介助が必要:4~1点   動作を分解し、何動作行っているかで採点する
「片袖を通す」「もう一方の手を通す」「かぶる」「引き下げる」
のうち、

4点:1動作のみ介助が必要、仕上げ程度の介助、ボタンやファスナーのみ介助
3点:2動作に介助が必要
2点:3動作に介助が必要

1点:全介助、2人介助、非実施

 

 

FIMの更衣(上半身)評価の注意点

*義肢・アームスリングやコルセットなどの装具・治療用スリーブなど装具類の着脱は更衣の主な動作ではないので、それらの装着に介助が必要でも、更衣動作自体が介助なしで可能であれば5点までしか減点されない。

*着る習慣のない服の更衣に介助が必要であっても、それは採点の対象にならない。

(ボタン操作ができず前開きの服の更衣に介助が必要でも、かぶりの服が自立し前開きの服を着る習慣がなければ7点となる)。

*更衣の項目では、社会的に認められる服を着ることが必要である。病院用の寝間着などの場合は、着脱が自力で行えたとしても減点される(例:寝間着とガウンの着脱が自立している場合で2点)。

 

E.FIMの更衣(下半身)の注意点

腰より下の更衣、および着用している場合には義肢または装具の着脱も含む。

介助者なし

7.完全自立・・・引き出しや押し入れのような通例の場所から衣類を取り出すことを含めた衣類の着脱。パンツ・ズボン・スカート・ベルト・ストッキング・靴の着脱、ジッパー・留め金・およびスナップの取り扱い、着用している場合は義肢・装具の着脱を含む。

6.修正自立・・・マジックテープの様に改良した特殊な部品または補助具(義肢または装具を含む)が必要となるか、通常以上の時間がかかる。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)、または準備(装具の着脱、衣類や特殊な更衣用具の準備)が必要。

4.最小介助・・・患者は更衣動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・更衣動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・更衣動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・更衣動作の25%未満しか行わない、または更衣をしない

 

FIMの更衣(下半身)評価の採点の流れ・考え方

1)更衣に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:ボタンエンドなどの自助具・着やすいよう改造した服・義肢 など)

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:タンスからの出し入れ、義肢や装具の装着 など)

→さらに介助が必要:4~1点

動作を分解し、何動作行っているかで採点する
「片足を通す」「もう一方の足を通す」「引き上げる」「姿勢を保つ」
のうち、

4点:1動作のみ介助が必要、仕上げ程度の介助、ボタンやファスナーのみ介助
3点:2動作に介助が必要
(例:両足を通すのに介助が必要だが、立位でズボンを引き上げることは可能。片足を通すことと、立位時の姿勢保持のために介助が必要)
2点:3動作に介助が必要
(例:手すりにつかまり立位保持は可能だが、ズボンの操作は介助が必要)

1点:全介助、2人介助、非実施

もしくは、必要な動作項目のうち何項目を行っているかで採点する
「ズボン」「下着」「靴下」「靴」
のうち、
4点:1項目のみ介助が必要
3点:2項目に介助が必要
2点:3項目に介助が必要

1点:全介助、2人介助、非実施

 

FIMの更衣(下半身)評価の注意点

*義肢・装具・治療用ストッキングなど装具類の着脱は更衣の主な動作ではないので、それらの装着に介助が必要でも、更衣動作自体が介助なしで可能であれば5点までしか減点されない。

*着る習慣のない服の更衣に介助が必要であっても、それは採点の対象にならない。

*更衣の項目では、社会的に認められる服を着ることが必要である。病院用の寝間着などの場合は、着脱が自力で行えたとしても減点される(例:寝間着とガウンの着脱が自立している場合で2点)。

 

F.FIMのトイレ動作の評価方法

会陰部の清潔、およびトイレまたは差し込み便器使用の前後で衣服を整えることが含まれる。安全に行う。

 

介助者なし

7.完全自立・・・排尿・排便後に清潔にすること。生理用ナプキンをつけること、タンポンの挿入、トイレ使用の前後に衣服を整えること。

6.修正自立・・・特殊な器具(義肢または装具を含む)が必要、または通常以上の時間がかかる、あるいは安全性の考慮が必要。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)、または準備(補助具の使用や包装を開けること)が必要。

4.最小介助・・・患者はトイレ動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・トイレ動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・トイレ動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・トイレ動作の25%未満しか行わない。

 

FIMのトイレ動作の評価の採点の流れ・考え方

1)トイレ動作に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

 

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:手すり・着やすいよう改造した服・義肢 など)

 

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:トイレットペーパーを切って用意する、例外として生理用ナプキンのみ介助 など)

→さらに介助が必要:4~1点
動作を分解し、何動作行っているかで採点する
「服を下げる」「服を下げる」「陰部や殿部を拭く」
のうち、

4点:軽い支えや仕上げ程度の介助、ボタンやファスナーのみ介助
3点:1動作に介助が必要
2点:2動作に介助が必要
1点:全介助、2人介助、非実施

 

もしくは、上記の項目全てで介助者が半分以上手伝っている場合は最大介助の2点(50~75%未満の介助)とする方法もある。

 

FIMのトイレ動作の評価の注意点

*もし患者が生理用ナプキンに介助が必要な場合(通常月に3-5日)、介助のレベルは5すなわち監視または準備である。

*ストーマ管理の場合、前後の衣類の操作とストーマの管理が自立していれば7点となる。
(排便にストーマを利用している場合の減点はH排便管理の項目となる)

 

G.FIMの排尿コントロール評価の方法

排尿の完全なコントロールおよび排尿コントロールに必要な器具や薬剤の使用が含まれる。

 

介助者なし

7.完全自立・・・完全かつ随意的に膀胱をコントロールし、決して失禁しない。

6.修正自立・・・しびん・差し込み便器・簡易便器・カテーテル・おむつ・吸収パッド・集尿器・尿路変更あるいはコントロールのための薬剤を必要とする。カテーテルを使用している場合、患者は介助なしにカテーテルの水切りあるいいは洗浄を行う。そして解除なしに洗浄用の器具を消毒・洗浄・準備する。患者が器具を使用している場合、患者は介助なしにコンドーム式集尿器あるいは回腸導管用器具を組み立て装着する、畜尿袋を空にし着脱したり洗浄する、あるいは回腸導管用畜尿袋を空にしたり洗浄する。失敗しない。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・良好な排尿パターンを維持する、あるいは器具を取り扱うにあたって監視(たとえば待機、指示または促し)または器具の準備(取り付ける、空にする)が必要。または差し込み便器をとったりトイレに行くまでに時間がかかるため患者は時々失敗をするが、月に1回未満である。

4.最小介助・・・器具の取り扱いにおいて最小限の介助が必要。患者は排尿に関する課題の75%以上を行う。または時々失敗するが、週に1回未満である。

3.中等度介助・・・器具の取り扱いにおいて中等度の介助が必要。患者は排尿に関する課題の50~74%まで行う。または時々失敗するが、1日に1回未満である。

2.最大介助・・・介助しても患者は頻繁にまたはほとんど毎日湿った状態であり、カテーテルまたは瘻孔用の器具が留置してあるかどうかにかかわりなく、おむつまたはその他の吸収パッドを必要とする。排尿に関する課題の25%から49%まで行う。

1.全介助・・・介助しても患者は頻繁にまたはほとんど毎日湿った状態であり、カテーテルまたは瘻孔用の器具が留置してあるかどうかにかかわりなく、おむつまたはその他の吸収パッドを必要とする。排尿に関する課題の25%未満しか行わない。

 

*排尿管理の機能的ゴールは尿道括約筋が必要な時だけ開き、そのほかの時は閉じていることである。このために患者は器具・薬剤あるいは介助が必要である。したがってこの項目は2つの点を扱っている。すなわち(1)排尿管理の成功の程度、(2)必要な介助のレベルである。通常これら2つは同レベルである。例えば、失敗が多いほどより多くの介助が必要である。しかし、2つのレベルが正確に同じでない場合は常に低い方のレベルを記録する。

 

FIMの排尿コントロール評価の採点の流れ・考え方

「排尿の失敗」=汚したものを取り換える負担、「排尿の介助」=括約筋を緩めて排泄する手助け、の2点について別々に採点し、低い方の点を採用する。

 

1)排尿の失敗の頻度による採点
7点:失敗しない
6点:補助具や留置カテーテル・導尿・内服などの処置があるが失敗しない、自己管理可能
5点:失敗が月1回未満
4点:失敗が週1回未満
3点:失敗が1日1回未満
2点:失敗が毎日
1点:常時失禁・始末に介助が必要、カテーテルや導尿などの処置を常時介助者が行う

 

2)排尿の介助の頻度・程度による採点

「排尿の介助」の例・・・
・尿器を押さえておく
・カテーテルの挿入
・オムツやパッドの交換
・差し込み便器上に患者が位置するよう支えていること    など

 

7点:介助が必要ない

6点:補助具を使用するが介助が必要ない、自己管理可能

5点:補助具の使用のために監視・準備・促しが必要

介助の頻度が週1回以下

4点:排尿に最小介助が必要   例)夜間のみ尿器を当ててもらうが失禁はしない
介助の頻度が週2~6回、または自分でする回数>介助で行う回数

3点:排尿に中等度介助が必要
介助の頻度が、自分でする回数=介助で行う回数

2点:排尿に重度介助が必要
例)失禁するがその後オムツを交換するよう依頼できる
介助の頻度が、自分でする回数<介助で行う回数

1点:排尿に最大介助が必要、常時介助されている

 

FIMの排尿コントロール評価の注意点

*排尿の失敗=失禁ではなく、失禁したものを自分で片付けられず介助を必要とすることが失敗である。失禁しても自分で片付けられれば失敗とは考えない。

*人工透析を行っていて自尿がない場合は、例外的に介助量がないと解釈し7点となる。

 

H.FIMの排便コントロール評価方法

排便の完全なコントロールおよび排便コントロールに必要な器具や薬剤の使用が含まれる。

 

介助者なし
7.完全自立・・・完全かつ随意的に排便をコントロールし、決して失禁しない。

6.修正自立・・・差し込み便器または簡易便器・指による刺激・便軟化剤・坐薬・緩下剤、または定期的な浣腸あるいはコントロールのための穂k座の薬剤が必要。結腸瘻がある場合は患者がそれを管理する。失敗がない。

 

介助者あり
5.監視または準備・・・良好な排便パターンを維持する、あるいは瘻孔用器具を取り扱うにあたって監視(たとえば待機、指示または促し)または必要な器具の準備が必要。または患者は時々失敗をするが、月に1回未満である。

4.最小介助・・・坐薬・浣腸・器具を用いて良好な排便パターンを維持するために最小限の介助が必要。患者は排便に関する課題の75%以上を行う。または時々失敗するが、週に1回未満である。

3.中等度介助・・・坐薬・浣腸・器具を用いて良好な排便パターンを維持するために中等度の介助が必要。患者は排便に関する課題の50~74%まで行う。または時々失敗するが、1日に1回未満である。

2.最大介助・・・介助しても患者は頻繁にまたはほとんど毎日汚染された状態であり、瘻孔用の器具が留置してあるかどうかにかかわりなく、おむつまたはその他の吸収パッドを必要とする。排便に関する課題の25%から49%まで行う。

1.全介助・・・介助しても患者は頻繁にまたはほとんど毎日汚染された状態であり、瘻孔用の器具が留置してあるかどうかにかかわりなく、おむつまたはその他の吸収パッドを必要とする。排尿に関する課題の25%未満しか行わない。

 

*排便管理の機能的ゴールは肛門括約筋が必要な時だけ開き、そのほかの時は閉じていることである。このために患者は器具・薬剤あるいは介助が必要である。したがってこの項目は2つの点を扱っている。すなわち(1)排便管理の成功の程度、(2)必要な介助のレベルである。通常これら2つは同レベルである。例えば、失敗が多いほどより多くの介助が必要である。しかし、2つのレベルが正確に同じでない場合は常に低い方のレベルを記録する。

 

FIMの排便コントロール評価の採点の流れ・考え方

「排便の失敗」=汚したものを取り換える負担、「排便の介助」=括約筋を緩めて排泄する手助け、の2点について別々に採点し、低い方の点を採用する。

 

1)排便の失敗の頻度による採点
7点:失敗しない
6点:補助具やストーマ・内服・座薬などの処置があるが失敗しない、自己管理可能
5点:失敗が月1回未満
4点:失敗が週1回未満
3点:失敗が1日1回未満
2点:失敗が毎日
1点:常時失禁・始末に介助が必要、ストーマなどの処置を常時介助者が行う

 

2)排便の介助の頻度・程度による採点
「排便の介助」の例・・・
・摘便   ・浣腸   ・座薬   ・腹圧援助

 

7点:介助が必要ない

6点:補助具を使用するが介助が必要ない、自己管理可能

5点:補助具の使用のために監視・準備・促しが必要
介助の頻度が週1回以下

4点:排便に最小介助が必要
例)夜間のみ尿器を当ててもらうが失禁はしない
介助の頻度が週2~6回、または自分でする回数>介助で行う回数

3点:排便に中等度介助が必要
介助の頻度が、自分でする回数=介助で行う回数

2点:排便に重度介助が必要
例)失禁するがその後オムツを交換するよう依頼できる
介助の頻度が、自分でする回数<介助で行う回数

1点:排便に最大介助が必要、常時介助されている

 

FIMの排便コントロール評価の注意点

*排便の失敗=失禁ではなく、失禁したものを自分で片付けられず介助を必要とすることが失敗である。失禁しても自分で片付けられれば失敗とは考えない。

*座薬の使用については以下の様に考える。

座薬を使っていない場合:7点

 

自分で座薬を使う場合

→月2回以下の頻度:7点

→週1回程度:6点
介助で座薬を挿入する

→月2回以下の頻度:5点

→隔日または毎日:4点

*下剤について、看護師が配薬している場合は病棟業務の一環のため減点の対象にはならない。補助手段として下剤をつかっているということで6点になる。

*プルーンのような天然下剤(余計な治療費用がかからないもの)を使用している場合は減点の対象にはならない。

 

I.FIMの移乗:ベッド、椅子、車椅子の評価方法

ベッド、椅子、車椅子の間での移乗のすべての段階を含む。または歩行が移動の主要な手段である場合は起立動作を含む。

 

介助者なし
7.完全自立・・・歩行の場合は、通常の椅子の前に近づき、座る、そこから立ち上がること。ベッドから椅子に乗り移ること。これらを安全に行う。車いすの場合は、ベッドまたは椅子に近づき、ブレーキをかけフットレストを上げ、必要ならアームレストをとり、そして立位で方向を変えるかまたは滑って移動し、そして元に戻ること。これらを安全に行う。

6.修正自立・・・スライディングボード・リフト・手すり・特殊な椅子やひじ掛け・装具・杖のような補助具(義肢・装具を含む)が必要である。通常以上の時間がかかる、または安全性の考慮が必要。

 

介助者あり
5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)または準備(スライディングボードを置く・フットレストを動かすなど)が必要。

4.最小介助・・・患者は移乗動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・移乗動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・移乗動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・移乗動作の25%未満しか行わない。

*ベッドから椅子への移乗を評価する際は、患者は仰臥位から始め、仰臥位までを行う。

 

FIMの移乗:ベッド、椅子、車椅子の評価の採点の流れ・考え方

1)移乗に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

 

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:ベッド周囲の手すり、トランスファーボード、義肢 など)

 

3)介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:車椅子の位置を整える、車椅子のブレーキ等を操作する、布団を取る など)

→さらに介助が必要:4~1点   介助量ごとに点数の目安が提示されている

4点:念のために軽く触れている
3点:軽く引き上げる
2点:しっかり引き上げる、まわす

1点:全介助、2人介助、非実施

 

FIMの移乗:ベッド、椅子、車椅子の評価の注意点

*移乗の評価対象となる動作は仰臥位からの起き上がりも含む。
*移乗は自立しているが、仰臥位からの起き上がりに完全介助が必要な場合は3点となる。(通常ベッド座位から椅子に移る時の方が多くの労力が必要となるため)

 

 

J.FIMのトイレ項目の評価方法

便器に移ることおよび便器から離れることを含む。

 

介助者なし

7.完全自立・・・歩行の場合は、通常の便器の前に近づき、座る、そしてそこから立ち上がること。これらを安全に行う。車いすの場合、便器まで行き、ブレーキをかけフットレストを上げ、必要ならアームレストをとり、そして立位で方向を変えるかまたは滑って移動し、そして元に戻ること。これらを安全に行う。

6.修正自立・・・スライディングボード・リフト・手すり・特殊な椅子やひじ掛け・装具・杖のような補助具(義肢・装具を含む)が必要である。通常以上の時間がかかる、または安全性の考慮が必要。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)または準備(スライディングボードを置く・フットレストを動かすなど)が必要。

4.最小介助・・・患者は移乗動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・移乗動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・移乗動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・移乗動作の25%未満しか行わない。

*ベッドから椅子への移乗を評価する際は、患者は仰臥位から始め、仰臥位までを行う。

 

FIMのトイレ項目の評価の採点の流れ・考え方

.移乗と同様
1)移乗に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

2)介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:トイレの手すり、トランスファーボード、ポータブルトイレ、義肢 など)

3)介助者が必要な場合

→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:車椅子の位置を整える、車椅子のブレーキ等を操作する など)

→さらに介助が必要:4~1点   介助量ごとに点数の目安が提示されている

4点:念のために軽く触れている
3点:軽く引き上げる
2点:しっかり引き上げる、まわす

1点:全介助、2人介助

 

FIMのトイレ項目の評価の注意点

*仰臥位からの起き上がりを含まないことはI.移乗と異なる。

 

K.FIMの移乗:浴槽・シャワーの評価方法

浴槽またはシャワー室に入りそこから出ることを含む。
(日本語版では「浴槽」または「シャワー」のいずれを用いているかをチェックして区別する)

 

介助者なし

7.完全自立・・・歩行の場合は、浴槽またはシャワー室まで行き、そこに入りそして出ること。これらを安全に行う。車いすの場合は、浴槽またはシャワー室まで行き、ブレーキをかけフットレストを上げ、必要ならアームレストをとり、そして立位で方向を変えるかまたは滑って移動し、そして元に戻ること。これらを安全に行う。

6.修正自立・・・スライディングボード・リフト・手すり・特殊な椅子のような補助具(義肢・装具を含む)が必要である。通常以上の時間がかかる、または安全性の考慮が必要。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・監視(例えば待機、指示または促し)または準備(スライディングボードを置く・フットレストを動かすなど)が必要。

4.最小介助・・・患者は移乗動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・移乗動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・移乗動作の25%から49%までを行う。

1.全介助・・・移乗動作の25%未満しか行わない。

 

FIMの移乗:浴槽・シャワーの評価方法の採点の流れ・考え方

1)移乗に介助者が必要かどうか?
→不要:7点または6点
→必要:5点以下

 

2)介助者不要=自立の場合

→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:シャワーチェア、手すり、滑り止めマット など)

 

3)介助者が必要な場合

→準備・監視・助言のみ:5点
(準備の例:シャワーチェアの位置を整える、手すりを取り付ける、滑り止めを敷く など)

→さらに介助が必要:4~1点   介助量ごとに点数の目安が提示されている

4点:片足のみまたぐのに介助が必要
3点:両足をまたぐのに介助が必要、立ち座りの際介助で多少引き上げや支えが必要
2点:半分以上介助だが患者も力を貸している、立ち座りの際介助でかなり引き上げが必要

1点:全介助、2人介助、非実施

 

FIMの移乗:浴槽・シャワーの評価方法の注意点

*浴槽移乗の評価対象となる動作は、浴槽の出入り(浴槽をまたぎ越す、浴槽でしずむ・つかる)、またはシャワーのみの場合シャワー椅子への移乗となる。脱衣所から浴槽までの移動は含まない。

 

L.FIMの移動(歩行、車椅子)の評価方法

立位の状態では歩行、座位の状態では平地での車いすの使用を示す。最も頻繁に行う移動の手段に印をつける。どちらも同じ程度であれば両方に印をつける。もしリハビリテーションプログラムを開始したところであれば、訓練を予定している方をチェックする。

 

介助者なし

7.完全自立・・・補助具なしに最低50メートル歩行する。車いすは使用せず、安全に歩行する。

6.修正自立・・・最低50メートル歩行するが、下肢装具・義肢・特別に改良した靴・杖・歩行器を使用する。通常以上の時間がかかる。または安全性の考慮が必要。歩行しない場合、最低50メートル自立して車椅子または電動車椅子を操作する。方向転換や、テーブル・ベッド・トイレのところまで車椅子を操作する。少なくとも勾配3%の坂を乗り越える。敷物の上、ドアの敷居で車いすを操作する。

5.例外(家庭内移動)・・・補装具使用の有無にかかわらず短距離のみ(最低15メートル)歩行する。通常以上の時間がかかる、または安全性の考慮が必要。あるいは手動または電動車椅子を自立して短距離のみ(最低15メートル)操作する。

 

介助者あり

5.監視または準備・・・歩行する場合、最低50メートル歩行するために傍での監視、指示または促しが必要。歩行しない場合、最低50メートル車椅子で移動するのに傍での監視、指示または促しが必要。

4.最小介助・・・患者は最低50メートルの移動動作のうち75%以上を行う。

3.中等度介助・・・最低50メートルの移動動作のうち50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・最低15メートルの移動動作のうち25%から49%までを行う。1人だけの介助が必要。

1.全介助・・・移動動作の25%未満しか行わない。または2人の介助が必要。あるいは最低15メートルの歩行も車椅子移動も行わない。

FIMの移動(歩行、車椅子)の評価の採点の流れ・考え方

1)50メートル移動しているかどうか?
→50メートル移動している:7~3点
→50メートル移動していない:2、1点
→(例外)15メートルの移動が自立している:5点

 

2)50メートルを歩くのに介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:杖、歩行器、車椅子、義肢 など)

 

3)50メートルを歩くのに介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点
→さらに介助が必要:4、3点

4点:動作の75%以上を患者が行う
(例:手を添える程度の介助で歩く、車椅子で角を曲がる時やドアの敷居のみ介助してもらう)

3点:動作の50~74%を患者が行う
(例:1人介助だが歩くのに支えや足の運びの介助が必要、車椅子でまっすぐしか進めない)

4)50メートル移動していない場合
→(例外)15メートルの移動が自立している:5点、補助具の使用の有無は問わない

→15メートルの移動に介助が必要:2、1点
2点:動作の25~49%を患者が行う、1人介助
1点:全介助、2人介助、非実施

 

FIMの移動(歩行、車椅子)の評価の注意点

*入院時の採点でも、退院時の主とする移動手段を用いて行う。その場合、得点は低い方を採用する(車椅子が5点・歩行が1点の場合、退院時の移動手段が歩行であれば得点は1点)。

*介助量が軽度または監視でも、50メートル移動していなければ2点となる(40メートルを軽介助で歩けても得点は2点)。

 

 

M.FIMの階段の評価方法

屋内の12から14段の階段(1階上まで)を昇降する。

 

介助者なし

7.完全自立・・・いかなる型の手すりあるいは支えも使わずに少なくともひと続きの階段を昇降する。安全に行う。

6.修正自立・・・支柱・手すり・杖・携帯用の支持具を使って、少なくともひと続きの階段を昇降する。通常以上の時間がかかる、または安全性の考慮が必要。

5.例外(家庭以内移動)・・・補装具使用の有無にかかわらず、4から6段の階段昇降を自立して行う。通常以上の時間がかかる、または安全性の考慮が必要。

介助者あり

5.監視または準備・・・階段を昇降するのに傍での監視、指示または促しが必要。

4.最小介助・・・患者は階段昇降動作の75%以上を行う。

3.中等度介助・・・階段昇降動作の50%から74%までを行う。

2.最大介助・・・4から6段の階段昇降動作の25%から49%までを行う。1人だけの介助が必要。

1.全介助・・・階段昇降動作の25%未満しか行わない。または2人の介助が必要。あるいは4から6段の階段を昇降しないまたは運ばれる。

 

FIMの階段の評価の採点の流れ・考え方

1)12~14段の階段を昇降しているか?
→12~14段昇降している:7~3点
→12~14段昇降していない:2、1点
→(例外)4~6段の昇降が自立している:5点

 

2)12~14段昇降するのに介助者不要=自立の場合
→補助具・安全性への配慮が必要、通常以上の時間がかかる:6点
(補助具の例:杖、手すり、義肢 など。エレベーターは補助具に含まない

 

3)12~14段昇降するのに介助者が必要な場合
→準備・監視・助言のみ:5点

→さらに介助が必要:4、3点

4点:動作の75%以上を患者が行う
(例:手を添える程度の介助で昇降する)

3点:動作の50~74%を患者が行う
(例:1人介助だが昇降するに支えや足の運びの介助が必要)

 

4)12~14段昇降していない場合

→(例外)4~6段の昇降が自立している:5点、補助具の使用の有無は問わない

→4~6段の昇降に介助が必要:2、1点
2点:動作の25~49%を患者が行う、1人介助
1点:全介助、2人介助、非実施

 

FIMの階段の評価の注意点

*階段の項目のみ、しているADLが評価できない場合でも「できるADL」を評価し、採点する。
(1フロアで生活するなど階段昇降を実施しない場合でも、訓練室の階段などを用いて評価する)

*介助量が軽度または監視でも、12~14段昇降していなければ2点となる(8段を軽介助で昇降できても得点は2点)。

 

N.FIMの理解の評価方法

聴覚あるいは視覚によるコミュニケーションの理解が含まれる(例えば文字・サイン言語・ジェスチャー)。最も普通に行っている理解の方法に印をつけ評価する。両方を等しく使っている場合は両方に印をつける。
(  )聴覚
(  )視覚

 

介助者なし

7.完全自立・・・複雑または抽象的な指示・会話を理解する。母国語の話し言葉または書き言葉を理解する。

6.修正自立・・・複雑または抽象的な指示・会話を理解するが、軽度の困難を伴う。促しは必要としない。視覚や聴覚補助具その他の道具が必要なこともある。あるいは情報を理解するのに余分な時間がかかる。

介助者あり

5.待機的介助(促し)・・・命令や日常生活に必要な基本的な欲求を90%以上の機会で理解している。促し(ゆっくりとした速度で話す・繰り返す・特定の語や句を強調する・間をおく・視覚またはジェスチャーによる手がかり)が必要なのは10%未満である。

4.最小介助(促し)・・・基本的欲求についての指示・会話の75%から90%を理解している。

3.中等度介助(促し)・・・基本的欲求についての指示・会話の50%から74%を理解している。

2.最大介助・・・基本的欲求についての指示・会話の25%から49%を理解している。簡単な質問や文だけは理解するかもしれないが、半分以上の機会では促しが必要である。

1.全介助・・・基本的欲求についての指示・会話の25%未満しか理解していない、または簡単な質問または表現も理解しない。促しても適切に一貫して応答しない。

 

*複雑あるいは抽象的な情報の理解とは、言葉の理解だけにとどまらず、集団会話やテレビ番組または新聞記事で見られる最近の出来事、あるいは信仰、ユーモア、計算、あるいは日常生活で使う金銭面のことを含んでいる。基本的な欲求に関する情報とは、患者の栄養、飲み物、排泄、清潔、睡眠のような生理的な要求に関する会話・命令・質問・表現のことを示す。

 

FIMの理解の評価の採点の流れ・考え方

1)複雑な課題の理解が可能かどうか?
→可能:7点または6点
→不可能:5点以下

2)複雑な課題の理解が可能な場合
→時間がかかる、大きな声で話す・筆談する・補聴器を使うなど軽度の配慮が必要:6点

3)複雑な課題の理解が不可能=簡単な課題の理解の可否、介助や配慮の頻度で採点する
5点:簡単な課題の理解が可能、もしくは介助・配慮が必要な機会が10%未満

4点:介助・配慮が必要、もしくは理解ができない場面が10~25%
短い文であれば理解できる

3点:介助・配慮が必要、もしくは理解ができない場面が25~50%
短い句であれば理解できる

2点:介助・配慮が必要、もしくは理解ができない場面が50~75%
単語やジェスチャー、Yes/Noで返答する質問であれば理解できる

1点:介助・配慮が必要、もしくは理解ができない場面が75%以上、まったく意味が通じない

 

FIMの理解の評価の注意点

*理解の手段として、聴覚以外に文字・ジェスチャーなど視覚的な手段を用いてもよい。

*複雑な課題とは、複雑・抽象的な内容、集団会話、テレビや新聞の話題、冗談、金銭や宗教の話題、などが含まれる。

*簡単な課題とは、基本的欲求や単純な会話(食事・飲み物・排泄・睡眠に関すること など)が含まれる。

*運動項目では「助言・配慮が必要=5点」「介助が必要=4点以下」と区別していたが、認知項目ではこれら全てを介助・配慮として扱う。複雑な課題を理解するのに介助・配慮が必要であれば6点、簡単な課題を理解するのに介助・配慮が必要であれば5点以下となる。

 

【介助・配慮の例】

・ゆっくり話す
・大きな声で話す
・難聴でない側から話しかける
・補聴器を使う
・話を繰り返したり強調する
・ジェスチャーを交える
・簡単な文にする
・筆談する

*%の考え方として、簡単な課題についての会話している際5回中2回は理解されなかったら「40%の機会で理解ができない=3点」となる。

 

O.FIMの表出の評価方法

はっきりとした音声、あるいは音声によらない言語表現を含む。この項目はわかりやすい話し方あるいは書字または会話増幅装置を使った言語のはっきりとした表出が含まれる。

最も普通に行っている表出の方法に印をつけ評価する。両方を等しく使っている場合は両方に印をつける。
(  )声=音声を使う
(  )非=音声を使わない。

 

介助者なし
7.完全自立・・・複雑または抽象的考えを、はっきりと流暢に表出する。

6.修正自立・・・複雑または抽象的な考えをほとんどの場面で表出する。あるいはわずかな困難を伴う。促しは必要としない。会話増幅装置や方法を必要とする場合もある。

 

介助者あり
5.待機的介助・・・基本的欲求や考えの90%以上を表出している。理解するために促し(例えば頻繁な繰り返し)が必要なのは10%未満である。

4.最小介助(促し)・・・基本的欲求や考えの75%から90%を表出している。

3.中等度介助(促し)・・・基本的欲求や考えの50%から74%を表出している。

2.最大介助・・・基本的欲求や考えの25%から49%を表出している。単語のみあるいはジェスチャーのみを用いる場合もある。半分以上の機会では促しが必要である。

1.全介助・・・基本的欲求や考えの25%未満しか表出していない、あるいはかいじょしても基本的に必要なことを適切に一貫して表現しない。

*複雑あるいは抽象的考えの例には、これらに限られているわけではないが、最近の出来事についてのぎロ怨、信仰、他人とのかかわりが含まれる。基本的欲求や考えの表出とは、患者の栄養、飲み物、排泄、清潔、睡眠など(生理的な欲求)のように、必要な日常の活動についてコミュニケーションする能力のことを示す。

 

FIMの表出の評価の採点の流れ・考え方

1)複雑な課題の表出が可能かどうか?
→可能:7点または6点
→不可能:5点以下

2)複雑な課題の表出が可能な場合
→時間がかかる、大きな声で話す・筆談する・補聴器を使うなど軽度の配慮が必要:6点

3)複雑な課題の表出が不可能=簡単な課題の表出の可否、介助や配慮の頻度で採点する
5点:簡単な課題の表出が可能、もしくは介助・配慮が必要な機会が10%未満

4点:介助・配慮が必要、もしくは表出ができない場面が10~25%
短い文であれば表出できる

3点:介助・配慮が必要、もしくは表出ができない場面が25~50%
短い句であれば表出できる

2点:介助・配慮が必要、もしくは表出ができない場面が50~75%
単語やジェスチャー、コミュニケーションボード、Yes/No質問であれば表出できる

1点:介助・配慮が必要、もしくは表出ができない場面が75%以上、まったく表出できない

 

FIMの表出の評価の注意点

*表出の手段として、音声以外に書字・会話装置・ジェスチャーなどの手段を用いてもよい。

*複雑な課題とは、複雑・抽象的な内容、集団会話、テレビや新聞の話題、冗談、金銭や宗教の話題、などが含まれる。

*簡単な課題とは、基本的欲求や単純な会話(食事・飲み物・排泄・睡眠に関すること など)が含まれる。

*運動項目では「助言・配慮が必要=5点」「介助が必要=4点以下」と区別していたが、認知項目ではこれら全てを介助・配慮として扱う。複雑な課題を理解するのに介助・配慮が必要であれば6点、簡単な課題を理解するのに介助・配慮が必要であれば5点以下となる。

【介助・配慮の例】
・ゆっくり話させる
・大きな声で話させる
・話を繰り返したり強調させる
・ジェスチャーを交える
・簡単な文にする
・筆談する

*%の考え方として、簡単な課題についての会話をしている際5回中2回は表出できなかったら「40%の機会で理解ができない=3点」となる。

 

P.FIMの社会的交流の評価方法

治療の場あるいは社会の場において、他人との折り合い、他人に参加していく技能が含まれる。これは人が自分の要求とともに他人の要求をどう処理するかということを意味している。

 

介助者なし

7.完全自立・・・スタッフ、ほかの患者そして家族と適切に交流する(たとえば、気分をコントロールし、批判を受け入れ、言葉や行動が他人に影響を与えることがわかっている)。

6.修正自立・・・ほとんどの場面ではスタッフ、ほかの患者そして家族と適切に交流する、あるいはわずかな困難を伴う。監視は必要ない。社会的状況の中で適応するまでに通常以上の時間がかかる、あるいはコントロールのために薬物を必要とすることもある。

 

介助者あり

5.監視・・・緊張するような状況または不慣れな状況でのみ監視が必要(例えばモニターでの監視、言葉による抑制、指示または促し)。しかしそれは10%未満の場面だけである。交流を始めるのに励ましが必要なこともある。

4.最小介助(指示)・・・患者は75%から90%の場面では適切に交流している。

3.中等度介助(指示)・・・患者は50%から74%の場面では適切に交流している。

2.最大介助(指示)・・・患者は25%から49%の場面では適切に交流している。抑制が必要なこともある。

1.全介助・・・患者は25%未満の場面でしか、または全く適切に交流していない。抑制が必要なこともある。

*社会的に好ましくない行為の例:かんしゃくを起こす、大声で不潔な言葉・悪態をいう。過剰に笑い、泣くこと。暴力。過度に引きこもることまたは交流を持たないこと。

 

FIMの社会的交流の評価の採点の流れ・考え方

1)医療スタッフや家族、他の患者と適切な関わりを持てるか?迷惑や不快感を与えていないか?
→適切に関わりが持てる・迷惑や不快感を与えない:7点または6点
→適切に関わりが持てない・迷惑や不快感を与える:5点以下

2)適切に関わりが持てる・迷惑や不快感を与えない場合
→内服薬や「慣れ」が必要:6点

3)適切に関わりが持てない・迷惑や不快感を与える場合=その頻度で採点する
5点:適切に関わりが持てない機会がまれに(10%未満)ある
4点:適切に関わりが持てない機会が10~24%ある
3点:適切に関わりが持てない機会が25~49%ある
2点:適切に関わりが持てない機会が50~74%ある
1点:適切に関わりが持てない機会が75%以上ある

 

FIMの社会的交流の評価の注意点

*迷惑や不快感を与える行為の例・・・
・無視する
・さわぐ、むやみに大きな声を出す
・相手をののしる、悪態をつく、嫌みを言う
・些細なことで怒る、かんしゃくを起こす
・暴力をふるう
・極端に他人との交流をこばむ
・周囲の迷惑に気づかずに話しかけ続けたり、愁訴を訴え続けたりする
など

*減点の対象とならない行為・・・
・遅刻
・挨拶をしない
・いびき(不随意な問題で干渉できない)
・個人的行動を好み、内気である

*「迷惑や不快感を与えてないか」だけでなく「周囲の人間と適切なかかわりを持てるか」を評価するため、「JCSⅢ桁の意識障害があるため周囲の人間と関わりがもてない」場合も減点となる(迷惑をかけていない=点数が高くなるわけではない)。

*%の考え方として、例えば患者と接している時にその言動に不快感を感じることが2回に1回程度あるようであれば「50%の機会で不快感を与える=2点」となる。

 

Q.FIMの問題解決の評価方法

日常生活上の問題解決に関連した技能が含まれる。これは金銭的・社会的・個人的な出来事に関して、合理的かつ安全にタイミングよく決断する。問題を解決するために行動を開始し、継続し、自分で修正していくことを意味する。

 

介助者なし

7.完全自立・・・一貫して問題を認識し、適切な決断を下す。複雑な問題を解決するための一連の方針をたて、実行する。そして誤りがあれば自分で修正する。

6.修正自立・・・ほとんどの場面で一貫して問題を認識し、適切な決断を下し、複雑な問題を解決するための一連の方針をたて、実行する。あるいはわずかな困難を伴う。または複雑な問題について決断を下し解決するのに通常以上の時間がかかる。

 

介助者あり

5.監視・・・緊張するような状況または不慣れな状況でのみ日常の問題解決のために監視が必要(例えば指示または促し)。しかしそのようなことは10%未満だけである。

4.最小介助(指示)・・・患者は日常の問題の75%から90%を解決している。

3.中等度介助(指示)・・・患者は日常の問題の50%から74%を解決している。

2.最大介助(指示)・・・患者は日常の問題の25%から49%を解決している。簡単な日常の活動を開始し、計画し、遂行するのに半分以上の場面では指示が必要。安全のために抑制が必要なこともある。

1.全介助・・・患者は日常の問題の25%未満しか解決しない。ほとんどいつも指示を要し、また効果的に問題を解決しない。簡単な日常の活動を遂行するために常に1対1の指示を要する。安全のために、抑制を必要とすることもある。

 

*問題の例:複雑な問題の解決とは、収支の管理、退院の計画に加わる、薬の自己管理、個人間の問題に直面する、および職業の決定などのことである。日常の問題とは、日常の課題をうまくこなしたり、日常生活の中で起こる不測の事態や危険に対処することなどが含まれる。

 

FIMの問題解決の評価方法の採点の流れ・考え方

1)簡単および複雑な課題の解決が可能か?
→可能:7点または6点

→複雑な課題は困難:5点以下、簡単な課題の解決能力で評価する

 

2)複雑な課題の解決が可能な場合
→時間がかかる、アドバイスなど多少の配慮が必要:6点

 

3)複雑な課題の課題が不可能=簡単な課題の解決の可否、介助や配慮の頻度で採点する
5点:介助・配慮が必要な機会がまれに(10%未満)ある

4点:介助・配慮が必要な機会が10~24%ある

3点:介助・配慮が必要な機会が25~49%ある

2点:介助・配慮が必要な機会が50~74%ある

1点:介助・配慮が必要な機会が75%以上、まったく解決できない

 

 

FIMの問題解決の評価方法の注意点

*複雑な課題とは、自分の生活に必要な問題であり、以下のようなものがある。

・退院後の福祉制度の利用や家屋の改修などの計画に取り組み、解決できる
・金銭管理ができる
・内服薬、インスリンなどの治療上必要な管理ができる
など

*簡単な課題とは、(主に病棟での)基本的な日常生活に必要な問題であり、以下のようなものがある。
・ナースコールを押す必要性が分かる
・移乗の際、必要な介助を頼める
・ゆっくり食べないとむせることが分かる
・必要時にトイレの介助を頼める
など

*問題解決の項目では、「複雑な問題が可能」だが「簡単な課題が不可能」なケースがあるのに注意が必要である。その場合、点数は5点以下となる。
例:複雑な金銭管理は可能だが、簡単な転倒の危険防止が困難
(知的機能は保たれているが失認を認めるケースなど)

*%の考え方として、例えば転倒防止のためにナースコールするよう指導しているが2回に1回は守れない場合「50%の機会で簡単な課題が解決できない=2点」となる。

 

R.FIMの記憶の評価方法

施設または社会の場面において日常的な活動を行うときの認知と記憶に関連した技能が含まれる。これは特に言語的・視覚的情報を記憶し再生する能力である。記憶障害は課題の遂行だけでなく学習も障害する。

 

介助者なし

7.完全自立・・・頻繁に出会う人を認識し毎日の日課を覚えている。他人からの依頼を繰り返し聞き返す必要なく実行する。

6.修正自立・・・頻繁に出会う人を認識し毎日の日課や他人からの依頼を記憶するのにわずかに困難を伴う。独自のまたは周囲のものからの手がかり、促しまたは補助具を使うこともある。

 

介助者あり

5.監視・・・緊張しているとき、あるいは、不慣れな状況では促しが必要(たとえば手がかりまたは繰り返し・助言など)。しかしそれは10%未満の場面だけである。

4.最小介助(促し)・・・患者は75%から90%の場面を認識し記憶している。

3.中等度介助(促し)・・・患者は50%から74%の場面を認識し記憶している。

2.最大介助(促し)・・・患者は25%から49%の場面を認識し記憶している。半分以上の時間は促しが必要。

1.全介助・・・患者は25%未満の場面でしか認識し記憶していない。あるいは効果的に認識し記憶しない。

 

FIMの記憶の評価の採点の流れ・考え方

以下の3項目をどの程度記憶しているかで採点する

1)「日常生活の日課」「かかわりの深い人物」「他人からの依頼内容」を覚えているか?
→覚えている:7点または6点

→覚えていられない:5点以下

 

2)覚えている場合
→常に覚えている:7点

→補助具・きっかけが必要・わずかに困難がある:6点(補助具の例:タイマー、メモ、手帳 など)

 

3)覚えていられない場合=3項目中何項目記憶していられるかで採点する
5点:覚えていられない場面がまれに(10%未満)ある

4点:覚えていられない場面が10~24%ある

3点:覚えていられない場面が25~49%ある

2点:覚えていられない場面が50~74%ある

1点:覚えていられない場面が75%以上ある

 

FIMの記憶の評価の注意点

*日常生活を送る上で必要な内容を覚えていられるかを評価するため、過去の出来事などの長期記憶や数字順唱などの記銘力テストでなく、あくまでADL上での記憶能力を評価する。

「日常の日課」の例・・・
・リハビリの場所や時間
・食事の場所や時間
・起床就寝の時間
など

「かかわりの深い人物」の例・・・
・家族
・担当の主治医/訓練士/看護師
・同室の患者   など

「他人からの依頼内容」の例・・・
・訓練後レントゲン受付に行くよう頼まれた
・同室患者からコップを洗うよう頼まれた
・検査のため手を洗ってナースステーションに行くよう頼まれた
など

*%の考え方として、3項目中1項目覚えていられれば33%可能=2点、2項目覚えていられれば66%可能=3点、という風に考える。

 

-評価方法

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